絵文字における通信と表現(2)2009-03-09

2009/03/09 當山日出夫

現在の日本語の表記は、明朝体活字(ディスプレイでは、サンセリフ系になるが)と、通行の仮名字体で、ほぼ固定してしまっている。活字や、コンピュータのディスプレイ表示に限定せず、手書き文字まで視野を拡大するならば、文字を書くこと=表現、である。

絵文字について、何故、関心がたかいのか、いろいろ理由はあるだろうが、ユーザの表現への要求ということが根底にあると思っている。言い換えるならば、規格化された文字では表現しきれない何かがあるから、種々に、工夫を加える。

そのひとつが、顔文字。その最も初期のものは、 :-) 

個人的には、私は、顔文字は基本的に使用しない。文章(通常の文字)によっって伝えられる限りのことを、書きたい。

とはいっても、実際には、「?」「!」などは、使う。「?」「!」などは、文字であるのか、記号であるのか。さらには、印刷における、アンダーラインや、圏点、などはどうなのか。現に、ブログやHPなどでは、HTMLによって様々に表現に工夫を凝らしている。(文書の構造とは別にである。)

音声言語と対応する書記、ではとらえきれない何かが、文字で書くときにはあることは確かだろう。それを、書記言語における表現、と言っていいかどうかは、考慮の余地があるかもしれないとは、思う。

絵文字のユニコード化が、パンドラの箱をあけてしまった、という言説に異論はない。だが、人によって、そこから読み取る、箱の中身はいろいろだろう。私にとっては、言語の書記とはなんであるか、そこにおける、通信・記録といった客観性にすすむ方向と、個々人の表現という個別性に向かう方向と、改めて問いかけることになる。そして、これが、コンピュータ文字(記号)という、きわめて無機質に規格化されたなかで起こっていることである。

當山日出夫(とうやまひでお)

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