文学館とスロヴェニアのことなど2009-03-11

2009/03/11 當山日出夫

岡野裕行さんの文学館研究について、コメントありがとうございます。ま、私が書いたのは、将来的には、このようなことも考えなければならないだろう……ということであって、いそいでどうこうということではありません。

それぞれに設立の趣旨や理念がちがいます。まず、そのあたりを整理してみるのが、重要ではないかと考えます。比較的新しいところでも、松本清張と、京都の時雨殿は、かなり性格が違うでしょう。時雨殿は、任天堂、今は、ゲーム機メーカですが、昔は、京都で花札とかトランプを作っていた会社。その歴史的経緯(社史?)もあって、百人一首(カルタ)の博物館をつくったということになるのでしょう。

松本清張は、推理小説作家であると同時に、歴史学にもかなり関係している。それを、やっと、日本の歴史学の研究分野が、そこそこ認めるようになった、ということでしょうか。『昭和史発掘』『日本の黒い霧』とか。

それよりも、私が岡野さんのお仕事で評価したいのは、スロヴェニアの文化財デジタル化事情の報告(昨年の「じんもんこん2008」)。いろいろと用事があって、じっくり話しを聞く機会がなかったのが残念です。その時の資料と、論集を読み直して、これはいいと思いました。

日本文化をデジタルで、ということを考えたとき、まず、見てしまうのが、欧米のいわゆる先進国、また、となりの韓国・中国。これまでの、このような調査からは得られない視点が、スロヴェニアという小国であるが故に、得られる。

なぜデジタル化するか、デジタル化する前に考えておくべきこと、岡野さんのスロヴェニアの研究からは、学ぶべきものが多いと感じています。

當山日出夫(とうやまひでお)

追記:2009/03/11
岡野さんの名前を間違えて書いていたので訂正。

コメント

_ 岡野裕行 ― 2009-03-15 23時20分45秒

昨年の「じんもんこん2008」の発表の件、評価していただき恐縮です。周りの発表の方々と比べて内容的に浮いていたようで不安もあったのですが、當山先生のご指摘のように小国の事例はなかなか取り上げられにくいですから、その点では発表の意義があったのではないかと思っています。
当日はほとんどお話しする機会がなく残念でしたが、また何か機会がございましたら、よろしくお願いいたします。

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