最深日本研究 ~外国人博士の目~ 「キャラクター文化を知りたい」2025-04-02

2025年4月2日 當山日出夫

最深日本研究 ~外国人博士の目~ キャラクター文化を知りたい

このシリーズは、私は気に入っている。それは、研究としてまともであるからである。(NHKの番組のなかには、かなりうさんくさいものがたくさんあるなかで、このシリーズは、研究対象、目的、方法論、とりあえずの結論(仮説)、ということが、学問的に明確である。)

サウンドシンボリズムといっていたが、普通の日本語学の用語でいえば、オノマトペの分析ということになる。オノマトペ……擬音語、擬態語といわれる種類のことばであるが、これは、近年注目のあつまっている、日本語学の研究対象のひとつである。歴史的にこのことを研究してきたのは、山口仲実先生である。

番組の中で出てきてた、ゆるキャラの名前に使われる、「ピー」「リン」という親しみを表現することば。それから、「ポン」「まる」などのことば、これらが、ゆるキャラになぜ多用されるのか、言語研究としては、非常に興味深いし、重要な指摘である。

アンパンマンのキャラクタで、ドキンちゃんについては、「ドキドキ」ということばとの関係で、この名前がついたのだろうが、日本語のオノマトペ研究としても、重要な指摘である。

この研究をした、デボラ・オチさん。日本の演歌の歌詞も研究したというが、できれば、具体的にどんな内容だったのだろうか。日本語の歌謡曲やポピュラーソングの歌詞の分析は、伝統的に日本では、計量的研究の分野として続いている。

それから、ヒーローについても、出てきていた。これも、その名前がどのようになっているか(この番組の中では出てきていなかったが)、サウンドシンボリズムの観点から分析することができるはずである。

アクションスクールに通っての参与観察は、なるほど、こういうことまでしているのかと思って見ていた。そこで、指導の先生が使っていることば(オノマトペ)に注目している。オノマトペで、アクションの指導ができるということが、日本語のひとつの特徴といっていいだろう。

日本におけるキャラクター文化を、漢字とむすびつけて考えるのは、仮説ということになるが、考える価値はあると思う。番組のなかでは、漢字を使うのは日本語だけではないと否定的に言っていたが、しかし、漢字と仮名(特にひらがな)をまぜて使うのは、日本語だけである。朝鮮語では、今では漢字を使わなくなってしまっているし(かつては、漢字ハングル交じり文、というべきものがあったが)、中国語(中国、台湾)では、基本的に漢字だけである。漢字が漢字として特に目立つという機能があるのは、日本語の表記の大きな特徴である。

みやざき犬、というネーミングは、ダブルミーニング、要するにダジャレなのだが、NHKの天気予報に出てくる、しゅと犬くん、もれっきとしたキャラクターである。調べて見ると、ぬいぐるみも売っているようだ。

2025年4月1日記

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